ご挨拶

第37回日本骨髄腫学会学術集会 会長
社会保険京都病院 副院長・血液内科部長 島崎千尋


 このたび、第37回日本骨髄腫学会学術集会を2012年7月7日(土)と8日(日)の1日半にわたり、京都で開催させていただくことになりました。

 日本骨髄腫学会の前身である日本骨髄腫研究会は1976年に設立され、これまで多くの臨床研究を実施するなどわが国の骨髄腫研究・診療の発展に大きく貢献して参りました。2013年には当研究会が母体となり日本で初めて国際骨髄腫ワークショップを開催するはこびとなりました。このような背景より2011年11月、当研究会は学会へ移行することが正式に決定されました。したがって、今回は日本骨髄腫学会として始めての学術集会となります。

 近年、新規薬剤の開発により骨髄腫診療の進歩には目を見張るものがありますが、究極の目標である治癒の達成にはまだ長い道程が残されています。10年後の骨髄腫診療を考えた場合、新たなブレークスルーとなりうる戦略をこの機会にじっくり考えることが重要との認識から、学術集会のテーマを「骨髄腫診療の原点を見つめ、未来を拓く」とさせていただきました。このため、海外から3名、国内から2名、計5名のエキスパートを招聘し、講演を行って頂く予定でおります。また、これまで十分とはいえなかったALアミロイドーシスやPOEMSなどの骨髄腫類縁疾患の研究・診療レベルの向上も血液内科医の責務であり、本学会で積極的に取り上げていきます。

 本学会は骨髄腫研究会の時代より日本骨髄腫患者の会と共に歩んできたユニークな学術団体であります。チーム医療の重要性を鑑み、今回は日本骨髄腫患者の会との共催でコメディカルセッションも計画しています。

 今回の学術集会は国際骨髄腫ワークショップの前年にあたります。ご専門の方にとっては日本の骨髄腫病学の新知見を討議し世界に発信する前段階の場として、初学者にとっては骨髄腫病学の基礎から臨床までの最新情報をまとめて勉強できるまたとない機会であります。多数の演題のご登録と多くの方々のご参加を心よりお待ちしております。