理事長挨拶

更新日時:2017年7月25日
村上 博和
群馬大学大学院保健学研究科 研究科長、教授

 2014年5月、日本骨髄腫学会理事長に就任いたしました。日本骨髄腫研究会から日本骨髄腫学会へと脈々と続いてきた伝統ある学会の理事長という大役を仰せつかり、身の引き締まる思いがしております。副理事長の島崎千尋先生および理事・代議員の先生方のご協力を得て、学会の発展のため全力を尽くす所存です。

 日本骨髄腫学会の前身である日本骨髄腫研究会は1976年に発足しました。初代の代表幹事は今村幸雄先生(名誉会員)で、多発性骨髄腫の共同基礎研究および臨床研究を支援しておりました。1993年には代表幹事が高月清先生(名誉会員)に代り、それ以降の学術集会は会員の持ち回りとなり日本各地で開催されるようになりました。2004年には代表幹事が清水一之先生(名誉会員)に代り、事務局長も名倉英一先生(名誉会員)に代り、国際疫学調査への参加や新規骨髄腫治療薬の導入などを通じて、学会活動は大いに活性化いたしました。また、2010年からは学会誌、International Journal of Myelomaの刊行を始めました。これらの活動が認められ、2013年4月清水一之先生が会長としてInternational Myeloma Workshop in Kyotoが開催され、本邦の骨髄腫研究および治療の水準の高さを世界に示すことができました。この間、2004年には186名であった会員数は2016年には490名に増加しています。

 学会活動は、定款に示してあるように「多発性骨髄腫および類縁疾患に対して、病因と病態の解明を探究し、診断と治療の向上を図り、診療に関する教育を行うこと」を目的としています。その事業は、多発性骨髄腫に関する研究支援と啓発活動を柱としています。研究支援事業としては、 学術集会、研究会等の開催や骨髄腫に関する研究費助成などを行っています。啓発活動としては、前述したInternational Journal of Myelomaの刊行や「多発性骨髄腫の診療指針」をはじめとした出版物等の刊行を行っています。「多発性骨髄腫の診療指針」は2004年に初版が発刊され、その後オリンピックイヤー毎に発刊し、現在は第4版となっており、臨床現場からは高い評価を受けています。

 現在、多発性骨髄腫の予後は、免疫調整薬、プロテアソーム阻害剤および抗体薬などの導入により飛躍的に改善し、治癒も望める時が来ると感じています。今後は、患者さんの予後の改善につながるような基礎研究および臨床研究の支援活動をより活発に行っていきたいと考えています。さらに、多発性骨髄腫診療に多くの若い血液内科医が加わってくれるように、「骨髄腫教育セミナー」開催などの教育支援も開始したいと思います。

 これらの活動のためには、会員の皆様のご支援、ご協力が欠かせません。何卒よろしくお願いいたします。